八名信夫の うまいもん紀行


仙台の《笹かまぼこ》を食べられる幸せ
(鐘崎)

「やっと手に入ったよ」と、仙台の友達から《笹かまぼこ》が届いた。
「仙台土産はこれだよ、やっぱり」そう言いながら、ぱくっと食べた。
やっぱり、この味だ!
笹の葉の形。ちょっと焦げ目をつけたような焼き具合。
ふわっと、かまぼこのうまみが口一杯に広がる。
何にもつけなくても、ともかくうまい!
「なんだ、あいつ、もっと送ってくれたらいいのに」
と、勝手なことを思いながら。
いつもは気にしないのに、箱の中の手紙が目に入った。


一枚一枚に、想いを込めて。

お元気ですか? お変わりありませんか?

今、しみじみと思い出すのは、
あらゆるものが揺さぶられた「あの日」のこと。
そして、夢中で走り続けた日々のこと。
「もう一度、笹かまぼこをつくりたい」
わたしたちの想いと情熱を支えてくださったのは、
お客さまの笑顔とあたたかい励ましのお言葉でした。

                 〜 と続いていく〜


胸にしみこむような、心のこもった手紙。

仙台に行ったら、《笹かまぼこ》がある。
土産は《笹かまぼこ》
それが当たり前のようだったのに、
その当たり前のことが、なくなってしまっていたのだ。

【鐘崎の笹かまぼこ】
【鐘崎】の皆さんの想いがこもっている。
「仙台の《笹かまぼこ》を作り続けなければならない」
「自分たちの為に、そして、待っていて下さるお客様の為に」

どれだけ大変な毎日を過ごしていらしたのだろう?

一枚一枚に、想いを込めて。
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皆さんの心が、熱く伝わって来た。
前に食べていたのより、ふわっと優しい歯ごたえがするような気がした。

後日、社長さんが自ら手紙を下さった。
「去年は、桜も季節の移りゆきも、感じることは出来ませんでした。
今年は少しだけ、桜を楽しむ気持ちも持てそうです」と。

こんな一ファンの俺に、丁寧なお手紙を下さる社長さんや
皆さんがいらっしゃる【鐘崎】さんって、
なんと素敵な会社だろう!

おおば比呂司さんのイラストの包装紙。
あの、のんびり、ゆったりしたイメージの【鐘崎の笹かまぼこ】
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東北の陽だまりのあたたかさと
新しい季節を迎えた喜びを感じていただければ幸いです。
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笹かまぼこと一緒に入っていた手紙の結び。
全国の皆さん、
仙台、東北の《笹かまぼこ》を 応援しよう!


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